- 公式ケーススタディを「制約」と「要求」に仕分けし、要件 1 行ごとに Google Cloud プロダクトへ翻訳する型を身につける
- EHR Healthcare / Helicopter Racing League / Mountkirk Games / TerramEarth の 4 本それぞれについて、推奨アーキテクチャと設計根拠を自分の言葉で説明できるようになる
- ビジネス要件優先・消去法・「Google 推奨」の 3 原則で本試験のシナリオ問題を解けるようになる
- 受験登録から試験当日、2 年後の更新試験までの流れを把握する
試験ガイド対応: セクション 1.1〜1.4、2.1、3.1、4.2、6.1(ケーススタディ問題は特定セクションに閉じず、全セクションを横断して出題されます)
ケーススタディの読み方 — 原文を翻訳表に落とす型
Professional Cloud Architect 試験の最大の特徴は、架空企業のシナリオ(ケーススタディ)を参照して答える問題群です。公式ページによれば、標準試験は 2 時間・50〜60 問で、そのうち 20〜30% がケーススタディ由来(2026-08 時点)。試験中はケーススタディ原文を分割画面で参照できますが、本番で初見だと読むだけで時間が溶けます。事前に「諳んじて要約できる」水準まで読み込み、本番では確認だけで済ませるのが合格者の定石です。
ケーススタディの原文はどれも同じ 6 部構成です。各セクションから拾うべき情報は決まっています。
| 原文のセクション | ここから拾うもの |
|---|---|
| 会社概要(Company overview) | 業種と規制の文脈。医療なら HIPAA、決済なら PCI DSS が裏にある |
| ソリューションコンセプト | 移行の「北極星」。何のためにクラウドへ行くのかの 1 文 |
| 既存環境(Existing technical environment) | 制約の宝庫。移行元・残すもの・使っている技術スタック |
| ビジネス要件 | 優先順位の源泉。正解選択肢を最後に 1 つへ絞る根拠になる |
| 技術要件 | プロダクト選定への直接のヒント。1 行 = 1 翻訳 |
| 役員声明(Executive statement) | 最優先事項の宣言。「レイテンシが最優先、次にコスト」のような順位付け |
読んだら、内容を 2 つに仕分けします。制約は動かせない前提(リース期限、残すレガシー、既存の技術選定)、要求は満たすべきゴール(可用性 99.9%、レイテンシ最小化)です。制約は選択肢を消し、要求は選択肢を選びます。そのうえで要件 1 行ごとに「Google Cloud のどのプロダクトで、なぜ満たせるか」を書いた翻訳表を作ります。この章の 4 節で見せる表がその完成形です。
4 大ケーススタディを設計し切る
ここからは 4 本を 1 本ずつ、翻訳表と推奨アーキテクチャに落とします。原文 PDF(各 3 ページ・英語)は必ず一度は通読してください。なお機械学習系の要件は、本書では Gemini Enterprise Agent Platform(旧称 Vertex AI。以下 Agent Platform)へ翻訳します。マネージドなモデル学習(AutoML / カスタムトレーニング)とオンライン予測を提供するプラットフォームで、TensorFlow をはじめとする主要な ML フレームワークをサポートします。
EHR Healthcare — コロケーション脱出と階層化ハイブリッド
電子カルテ(EHR)SaaS の大手。コロケーション DC のリース期限が迫るなか、Google Cloud への移行を決めた——という設定です(原文 PDF)。鍵は 3 つ。①顧客向け Web アプリはコンテナ化済みで複数の Kubernetes クラスタで動いている、②保険会社とのレガシー連携(ファイル / API ベース)は数年はオンプレに残す、③ユーザー管理は Microsoft Active Directory。つまり全面移行ではなく、フロントはクラウド・レガシーはオンプレの階層化ハイブリッド(tiered hybrid)パターンです(アーキテクチャセンター参照)。
| 要件(原文の要旨) | Google Cloud への翻訳と根拠 | 参照章 |
|---|---|---|
| コンテナ化済みアプリを一貫した方法で管理し、動的にスケール | GKE。複数環境(本番 / 開発 / テスト)をクラスタとして統一運用 | 第 6 章 |
| 顧客向けシステムの可用性 99.9% 以上・全顧客のレイテンシ低減 | リージョナル GKE クラスタ + グローバル外部アプリケーション LB + Cloud CDN | 第 5 章 |
| オンプレのレガシー保険連携と、安全で高性能な接続を維持 | Cloud Interconnect(Dedicated / Partner)。帯域と SLA が要るので VPN より優先 | 第 12 章 |
| MySQL / MS SQL Server / Redis / MongoDB の混在データ層 | Cloud SQL(MySQL・SQL Server)/ Memorystore(Redis)/ Firestore(ドキュメント指向の移行先候補) | 第 9 章・第 10 章 |
| Microsoft AD によるユーザー管理を維持 | Managed Service for Microsoft AD をデプロイし、オンプレ AD とフォレスト間信頼で接続 | 本章(下記) |
| 一貫したロギング・監視・アラート(現状はメール通知が無視されがち) | Google Cloud Observability(Cloud Monitoring / Cloud Logging)に一元化し、アラートポリシーで能動対応 | 第 15 章 |
| 規制順守の維持(医療データ) | HIPAA を見据えた BAA・監査ログ・Sensitive Data Protection・CMEK | 第 14 章・第 13 章 |
| 業界トレンドの予測とレポート生成 | BigQuery にプロバイダデータを集約し、Agent Platform で予測モデルを学習・提供 | 第 11 章 |
| 新しい保険プロバイダの迅速なオンボーディング | 取り込みインターフェースをコンテナ / Cloud Run で標準化し、CI/CD で高速展開 | 第 7 章・第 16 章 |
AD の扱いは EHR 頻出論点です。Managed Service for Microsoft AD は Google Cloud がドメインコントローラーの運用(パッチ適用・冗長化)まで面倒を見るマネージド AD で、既存のオンプレ AD とはフォレスト間の信頼(forest trust)で接続できます。「AD を作り直す」のではなく「信頼でつなぐ」が正解の型です。
Helicopter Racing League — 動画配信と ML 予測のクラウド間移行
世界規模のヘリコプターレースリーグ。ライブ中継とレース予測を有料配信しており、別のパブリッククラウドから Google Cloud への移行を検討している設定です(原文 PDF)。動機は 2 つ——マネージド AI/ML でレース予測(勝敗・機体故障・観客感情)を強化すること、新興国の視聴者の近くでコンテンツを配信すること。既存環境は「オブジェクトストレージにコンテンツ、ジョブごとに VM を立ててトランスコード、VM 上の TensorFlow で予測」です。それぞれをマネージドサービスに置き換えるのが軸になります。
| 要件(原文の要旨) | Google Cloud への翻訳と根拠 | 参照章 |
|---|---|---|
| 予測のスループットと精度を維持・向上(現状 VM 上の TensorFlow) | Agent Platform のカスタムトレーニング(GPU / TPU)+ オンライン予測エンドポイント。TensorFlow をサポート | 本章 |
| 予測モデルをパートナーへ公開 | Apigee で API プロダクト化し、認証・レート制限・開発者ポータルを提供 | 本章(TerramEarth 節参照) |
| 視聴者レイテンシ削減・新興国での視聴品質向上・同時視聴者数増 | Media CDN。動画ストリーミングと大容量配信に特化したエッジ配信 | 本章 |
| トランスコード性能の向上(現状ジョブごとの VM) | Transcoder API。MP4 / HLS / DASH を出力するマネージドの非同期ジョブ | 本章 |
| 視聴パターンとエンゲージメントのリアルタイム分析 | Pub/Sub → Dataflow → BigQuery のストリーミング分析パイプライン | 第 11 章 |
| 大量のレースデータを処理するデータマート | BigQuery。パーティショニング / クラスタリングでコストと性能を制御 | 第 11 章 |
| 既存コンテンツ(他クラウドのオブジェクトストレージ)の移行 | Storage Transfer Service で Cloud Storage へクラウド間転送 | 第 8 章 |
| 運用の複雑さを最小化・規制順守 | サーバーレス / マネージド優先の選定。コンテンツの地域規制はロケーション設計で対応 | 第 7 章・第 14 章 |
配信レイヤーの選定が HRL らしさです。Media CDN は Cloud CDN を補完する動画・大容量配信特化の CDN で、Google のエッジキャッシュ網から配信します。Web サイトの高速化なら Cloud CDN(第 5 章)、ストリーミング動画の大規模配信なら Media CDN、という使い分けです。トランスコードはTranscoder API に任せ、「Cloud Storage に置く → ジョブ投入 → 結果を Cloud Storage へ」という非同期フローに置き換えます。
Mountkirk Games — GKE とグローバルリーダーボード
モバイルゲーム会社。オンプレからの移行はすでに完了しており、次の新作——数百人同時対戦の FPS——をクラウドネイティブ前提で新規設計する攻めのケースです(原文 PDF)。ソリューションコンセプトに答えの骨格が明記されています: バックエンドは GKE、プレイヤーは Google のグローバル LB で最寄りのリージョンのアリーナへ、全アリーナ横断のリーダーボードはマルチリージョン Spanner。役員声明の「レイテンシが最優先、コスト管理が次点」が選択肢を絞る最終基準です。
| 要件(原文の要旨) | Google Cloud への翻訳と根拠 | 参照章 |
|---|---|---|
| 複数プラットフォーム・複数リージョンから最寄りアリーナへ接続 | 複数リージョンの GKE クラスタ + グローバル外部アプリケーション LB(エニーキャストで近接ルーティング) | 第 5 章・第 6 章 |
| ほぼリアルタイムの全世界リーダーボード | マルチリージョン構成の Spanner。強整合の読み書きと水平スケールを両立 | 第 9 章 |
| ゲームアクティビティに応じた動的スケール | GKE のオートスケール(HPA + クラスタオートスケーラ)。Autopilot ならノード管理も不要 | 第 6 章 |
| 活動ログを構造化ファイルとして保存し将来分析 | Cloud Storage へ書き出し、BigQuery で分析(外部テーブル / ロード) | 第 8 章・第 11 章 |
| サーバーサイド GPU レンダリングでマルチプラットフォーム対応 | GKE の GPU ノードプール(Standard モードで GPU マシンタイプを指定) | 第 6 章・第 4 章 |
| ゲーム機能の高速イテレーション | Cloud Build + Cloud Deploy によるカナリアリリース | 第 16 章 |
| ゲームごとに隔離されたプロジェクト + フォルダで権限・ネットワークポリシーを集中管理 | リソース階層の教科書例。フォルダに IAM / 組織ポリシーを継承させる | 第 2 章 |
| マネージドサービスとプールされたリソースの活用・コスト最小化 | マネージド優先 + オートスケールで需要追従。分析系バッチには Spot VM | 第 17 章 |
リーダーボードに Spanner を選ぶ根拠は言語化できるようにしてください。Spanner はリレーショナルな強整合トランザクションを保ちながら水平スケールし、リージョナル / デュアルリージョン / マルチリージョン構成を選べます。公式ドキュメントもゲームデータベースを明示的なユースケースに挙げています。「世界中のアリーナから書き込まれ、順位の整合が崩れてはならない」——この 1 行が Cloud SQL でも Firestore でもなく Spanner を指します。
TerramEarth — IoT テレメトリとパートナー API 基盤
鉱業・農業向け重機メーカー。200 万台の車両が稼働し、年 20% 成長。重要データだけをリアルタイム送信し、残りのセンサーデータ(1 台あたり 1 日 200〜500MB)は帰還時に一括アップロードする——というデータ量の設計が主役です(原文 PDF)。すでに Google Cloud 上にデータ基盤があり、工場からのデータを受けるオンプレ DC とは複数の Interconnect で接続済み。5 年計画は「データへのアクセスを開放してパートナーエコシステムを作る」ことで、これが API 管理(Apigee)を軸にした問題を生みます。
| 要件(原文の要旨) | Google Cloud への翻訳と根拠 | 参照章 |
|---|---|---|
| 重要データのリアルタイム送信(走行中のフリート管理) | Pub/Sub で取り込み、Dataflow でストリーム処理して BigQuery へ | 第 11 章 |
| 帰還時の一括アップロード(200〜500MB/日 × 200 万台) | Cloud Storage へ直接アップロードし、バッチで BigQuery にロード。転送量と回線帯域の見積もりが先 | 第 8 章・第 17 章 |
| 故障の予測・検知と部品のジャストインタイム供給 | BigQuery の走行データで Agent Platform の予測モデルを学習・提供 | 本章・第 11 章 |
| ディーラー / パートナー向けカスタム API 基盤と API エンドポイントの集中管理 | Apigee(API プロキシ・API プロダクト・開発者ポータル)+ Cloud Run バックエンド | 本章・第 7 章 |
| レガシーシステムへの HTTP API 抽象化層(段階的クラウド移行) | Apigee のプロキシでレガシーを包み、Interconnect 経由でオンプレへ到達 | 第 12 章 |
| CI/CD の近代化とコンテナワークロードのデプロイ | Cloud Build + Artifact Registry + GKE / Cloud Run | 第 16 章 |
| リモート開発者がコード・データを危険に晒さず開発できる | IAP によるゼロトラストアクセス(VPN・踏み台なしで ID ベース制御) | 第 13 章 |
| クラウドネイティブな鍵・シークレット管理と ID ベースアクセス | Cloud KMS + Secret Manager + サービスアカウント(キーレス運用) | 第 13 章・第 2 章 |
| 開発者向けセルフサービスポータル(プロジェクト作成・リソース申請) | IaC(Terraform)によるプロジェクト払い出しの自動化 + リソース階層で統制 | 第 16 章・第 2 章 |
| クラウド運用コストの削減と季節変動への適応 | オートスケール + 従量課金で需要追従。定常分だけ確約利用割引(CUD) | 第 17 章 |
Apigee は Google Cloud の API 管理プラットフォームで、バックエンドの前に API プロキシを立て、分析・公開管理・開発者ポータルまで提供します。「パートナーに API を公開し、収益化や利用制御まで求められたら Apigee」は PCA の頻出パターンです(軽量なら API Gateway / Cloud Endpoints という選択肢もあります)。
解答テクニックと本番までの流れ
3 つの解答原則
- ビジネス要件優先: 技術的に成立する選択肢は複数あります。最後の 1 つは「コスト最小化」「運用の複雑さ最小化」「レイテンシ最優先」といったその会社の宣言が決めます。問題文に「最もコスト効率よく」「最小の運用負荷で」という副詞が付いたら、それが正解の判定軸です。
- 消去法: 4 択のうち 1〜2 個はたいてい明確な要件違反(リージョナルなプロダクトでグローバル要件に答える、強整合が要るのに結果整合のストアを選ぶ、など)です。まず消してから残りを比較すると速く正確になります。
- 「Google 推奨」で選ぶ: 試験ガイドは Google Cloud Well-Architected Framework の理解を重要な前提に挙げています(運用の卓越性・セキュリティ・信頼性・パフォーマンス最適化・コスト最適化・サステナビリティの柱)。迷ったら「マネージドサービス優先」「需要に応じたスケール」「最小権限」「IaC による再現性」という Framework 側の推奨に寄せた選択肢が正解になりやすい、というのが実戦則です。
試験の形式と更新(2026-08 時点)
| 項目 | 標準試験 | 更新試験(Renewal) |
|---|---|---|
| 時間 / 問題数 | 2 時間 / 50〜60 問(多肢選択・複数選択) | 1 時間 / 25 問 |
| 受験料 | $200(税別) | $100(税別) |
| ケーススタディの比重 | 試験全体の 20〜30%。1 回の試験には 4 本中 2 本が登場(分割画面で原文参照可) | 生成 AI 関連のケーススタディ 1 本(2 本から選出)が 90〜100% |
| 言語 / 受験方法 | 英語・日本語 / 遠隔監視オンラインまたはテストセンター | 同左 |
| 有効期間 | 2 年 | 2 年(このほか指定コース / スキルバッジ完了による更新は 1 年) |
| 前提条件 | なし(推奨: 業界経験 3 年以上、うち Google Cloud 設計・管理 1 年以上) | 有効な認定を保持し更新適格期間内であること |
受験登録・最新の試験ガイド・サンプル問題はすべて認定資格の公式ページが起点です。英語版ガイド v6.1(2026-08 時点)ではセクション 1(設計と計画)が約 25% と最大の配点で、生成 AI 関連の考慮事項(Model Garden、AI Hypercomputer、Gemini Cloud Assist など)がセクション 1〜2 に明示的に入っています。当日は前半で自信のある問題を素早く確定し、ケーススタディ問題は「事前に作った翻訳表の記憶 → 原文の該当行だけ分割画面で確認」の順で処理すると、1 問あたり約 2 分のペースを守れます。
ハンズオン
図 18-5 の「即時」経路の最小構成を作ります。Pub/Sub の BigQuery サブスクリプションを使うと、サブスクライバーのコードや Dataflow を書かずにメッセージを BigQuery テーブルへ直接書き込めます(公式ドキュメント)。所要 15 分。費用の目安: メッセージ数件と数 KB のストレージなので実質 0 円(Cloud Shell 実行を想定。ローカルの gcloud + bq でも可)。
- トピックと、書き込み先の BigQuery データセット・テーブルを作ります。スキーマオプションを使わない場合、テーブルには
dataという名前の列(BYTES / STRING / JSON のいずれか)が必要です。
gcloud pubsub topics create te-telemetry
bq mk --location=asia-northeast1 --dataset case18
bq mk --table case18.telemetry data:STRING
- Pub/Sub のサービスエージェント(Google 管理のサービスアカウント)に、テーブルへ書き込む権限を与えます。
PROJECT_IDは自分のプロジェクト ID に置き換えてください(gcloud config get-value projectで確認できます)。
PROJECT_ID=$(gcloud config get-value project)
PROJECT_NUMBER=$(gcloud projects describe "$PROJECT_ID" --format="value(projectNumber)")
gcloud projects add-iam-policy-binding "$PROJECT_ID" \
--member="serviceAccount:service-${PROJECT_NUMBER}@gcp-sa-pubsub.iam.gserviceaccount.com" \
--role="roles/bigquery.dataEditor"
- BigQuery サブスクリプションを作り、車両テレメトリを模したメッセージを発行します。
gcloud pubsub subscriptions create te-to-bq \
--topic=te-telemetry \
--bigquery-table="${PROJECT_ID}.case18.telemetry"
gcloud pubsub topics publish te-telemetry \
--message='{"vehicle_id":"TE-0001","engine_temp_c":92,"fuel_pct":41}'
gcloud pubsub topics publish te-telemetry \
--message='{"vehicle_id":"TE-0002","engine_temp_c":105,"fuel_pct":12}'
- 数十秒待ってからテーブルを照会し、メッセージ本文が
data列に入っていることを確認します。
bq query --nouse_legacy_sql 'SELECT data FROM case18.telemetry'
2 行の JSON 文字列が返れば成功です。サブスクライバー VM もストリーム処理コードも書いていないのに「デバイス → Pub/Sub → 分析基盤」の背骨が通ったことを確認してください。実運用でメッセージの変換・集約が要るときに初めて Dataflow(第 11 章)が登場します。
後片付け:
gcloud pubsub subscriptions delete te-to-bq --quiet
gcloud pubsub topics delete te-telemetry --quiet
bq rm -r -f case18
gcloud projects remove-iam-policy-binding "$PROJECT_ID" \
--member="serviceAccount:service-${PROJECT_NUMBER}@gcp-sa-pubsub.iam.gserviceaccount.com" \
--role="roles/bigquery.dataEditor"
本番のリハーサルです。所要 60〜90 分。費用の目安: 0 円(クラウドリソースは作成しません)。
- 認定資格の公式ページから最新の試験ガイドを開き、ケーススタディ一覧が本章の 4 本からどう変わっているかを自分の目で確認します。新しいケーススタディがあれば、図 18-1 の型で翻訳表を 1 本作ってみてください。
- 同ページのサンプル問題(練習問題フォーム)を開き、1 問 2 分の制限時間を計りながら通しで解きます。わからない問題も飛ばさず仮回答して印を付けます。
- 答え合わせをして、誤答を試験ガイドのセクション番号に対応付けた弱点マップを作ります。
誤答の弱点マップ(例)
セクション 誤答 再読する章
1. 設計と計画 2 第 5 章 / 第 7 章 / 第 9 章
3. セキュリティ 1 第 13 章
6. 信頼性 1 第 15 章
- 誤答が集中したセクションに対応する章の「理解度チェック」を解き直し、正答率が上がったら受験登録に進みます。
後片付け: クラウドリソースを作成しないため、削除作業はありません(第 1 章で作った学習用プロジェクトの掃除は、まとめの節を参照)。
つまずきポイント
roles/bigquery.dataEditor 付与漏れです。また IAM 変更の反映には少し時間がかかることがあるので、直後に失敗したら 1〜2 分待って再試行してください。理解度チェック
Q1. ケーススタディの「既存環境」と「役員声明」は、それぞれ解答のどの段階で使うか?
既存環境は制約として選択肢の消去(残すもの・移行元・技術スタックに反する選択肢を消す)に、役員声明は優先順位として最後まで残った選択肢の 1 択への絞り込みに使います。
Q2. EHR Healthcare で、オンプレに残るレガシー保険連携と Google Cloud を接続する第一候補は何か。またそのアーキテクチャパターンの名前は?
Cloud Interconnect(Dedicated / Partner)です。「安全で高性能な接続」という技術要件が VPN より Interconnect を指します。フロントエンドをクラウド、バックエンドの一部をオンプレに残す構成は階層化ハイブリッド(tiered hybrid)パターンと呼ばれます(第 12 章)。
Q3. Mountkirk Games のグローバルリーダーボードに Spanner が選ばれる根拠を 2 つ挙げよ。
①複数リージョンからの書き込みに対して強整合な読み書きを保てること(順位の整合が崩れない)、②リレーショナルな整合性を維持したまま水平スケールし、マルチリージョン構成を選べることです。結果整合の NoSQL やリージョナルな Cloud SQL では「全世界でほぼリアルタイムに正しい順位」を満たせません(第 9 章)。
Q4.(試験形式)Helicopter Racing League は録画コンテンツの視聴品質を新興国で改善し、同時視聴者数を増やしたい。最も適切な配信構成はどれか。
A. リージョナル Cloud Storage バケットから直接配信する B. Cloud Storage をオリジンに Media CDN で配信する C. 各国に Compute Engine のキャッシュ VM を建てる D. Filestore に置き VM 経由で配信する
B。Media CDN は動画ストリーミング・大容量配信に特化し、Google のエッジキャッシュから視聴者の近くで配信できます。A はオリジン直撃でレイテンシも負荷も悪化、C はマネージド優先の原則に反し運用負荷が過大、D の Filestore はファイル共有用でグローバル配信の要件に合いません。
Q5.(試験形式)TerramEarth は帰還した車両から 1 台あたり 200〜500MB/日のセンサーデータを収集し、分析基盤に蓄積したい。コスト効率が最も高い取り込み経路はどれか。
A. 車両から Pub/Sub へ全量をストリーミングする B. Cloud Storage へ一括アップロードし、バッチで BigQuery にロードする C. Cloud SQL に直接 INSERT する D. 各拠点の VM で受けてから gcloud storage で転送する
B。リアルタイム性が不要な全量データは、オブジェクトストレージへの一括アップロード + バッチロードが最も安く単純です。A はストリーミングの必要がない大容量データに過剰、C は分析ワークロードに Cloud SQL が不向きでスケールも費用も破綻、D は VM という管理対象と単一障害点を無駄に増やします。
まとめ — 本書の総仕上げ
- ケーススタディは「原文 6 セクション → 制約と要求に仕分け → 要件 1 行ごとにプロダクト翻訳 → ビジネス要件で 1 択」の型で読み解く。翻訳表を自分の手で作ることが最良の試験対策になる
- EHR = 階層化ハイブリッド(GKE + Interconnect + Managed Microsoft AD)、HRL = 動画と ML のマネージド化(Media CDN + Transcoder API + Agent Platform)、Mountkirk = クラウドネイティブ新規設計(GKE + グローバル外部 ALB + マルチリージョン Spanner)、TerramEarth = 2 経路のデータ基盤とパートナー API(Pub/Sub / Cloud Storage + BigQuery + Apigee)
- 解答は「ビジネス要件優先 → 消去法 → Google 推奨(Well-Architected Framework)」の順で絞る
- 試験ガイドとケーススタディは版が更新される。2026-08 時点の v6.1 では生成 AI 色が強まり、参照ケーススタディも刷新された。受験直前に必ず公式ページで最新版を確認する
- 受験が終わったら、第 1 章で作った学習用プロジェクトに残ったリソースを棚卸しして削除し、予算アラートが鳴らない状態で締めくくる。第 17 章のコスト最適化は自分の学習環境にも効く
参考リンク:
- Professional Cloud Architect 認定資格(受験登録・試験ガイド・サンプル問題の起点)
- 試験ガイド v6.1(英語版 PDF)
- EHR Healthcare 原文 / Helicopter Racing League 原文 / Mountkirk Games 原文 / TerramEarth 原文
- ハイブリッド / マルチクラウドのアーキテクチャパターン
- Managed Service for Microsoft Active Directory
- Media CDN / Transcoder API
- Pub/Sub の BigQuery サブスクリプション
- Apigee API 管理